日语情态与认知情态研究
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まえがき

蒋家義氏の本書は,博士論文「モダリティの体系と認識のモダリティ」に基づいている。氏は博士号取得ののち6年間考察を続け,2017年に本書の執筆にとりかかった。考察の期間に,博士論文に対する客観的・批判的な視点を得ることができ,氏はあたかも新しい論文にとりかかるような気持ちで本書の執筆を行っている。

本書は2部9章より構成されている。

第1部「モダリティの体系」では5つの章を立て,日本語のモダリティの体系を論じるが,まず,第1章で一般言語学,英語学におけるモダリティ研究と対比して,日本語のモダリティ研究の特質を明らかにした。そのうえで,第2章で氏独自の「関与」という概念を導入し,日本語のモダリティの分類を行っている。続く第3章~第5章では関与型モダリティのうちの「主体関与型モダリティ」,「事態関与型モダリティ」,「命題関与型モダリティ」について検討を行った。これにより,「関与」という概念の新しさと有効性を知ることができるようになっている。

第2部「認識のモダリティ表現の諸相」では,「だろう」などの認識のモダリティ表現を4章を立てて論じている。先行研究と異なる新見がいくつも述べられているが,特に,「だろう」では「推量」についての再考が注目に値する。「ようだ,らしい,(し)そうだ」では,EVIDENTIALITY標識と結びつけることの妥当性の検討が目を引く。ほかにもいくつも注目すべき点があるが,これらに関しては各章の冒頭部の「内容」と,末尾部の「まとめ」が参考になる。

本書は,先行研究の成果を精査し,その上に立って,独自の概念による再編を行っており,日本語のモダリティ研究を一歩進めている。

蒋家義氏の長年にわたる,モダリティに関する精力的で詳細な研究が,このような形でまとめられたことは誠に喜ばしいことと思う。

元杏林大学大学院国際協力研究科教授

今泉喜一

2020年1月16日